戒律の中に、「施すことを惜しんではならぬ」とある。
良寛さんの所に泥棒が入った。盗むものは何もない。
気の毒に思った良寛さんは布団の中にじっとしていた。
泥棒も仕方ないので、良寛さんが寝ている布団を引っぱがして持っていった。
良寛さんは黙って持って行かせた。
泥棒が行ってしまって、そっと起きてみたら、十五夜の月がまんまる。
そこで良寛さんは、
「盗人に 取り残されし 窓の月」
と詠んだ。
ここまで、身軽になってみたい。