道元禅師からのメッセージ

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道元禅師

永平寺パネル展より

無常ならざるもの

生まれたものは死に

会ったものは別れ

持ったものは失い

作ったものはこわれます

時は矢のように去っていきます

すべてが「無常」です

この世において

無常ならざるものはあるでしょうか


どう生きるか

生まれて死ぬ一度の人生を

どう生きるか

それが仏法の根本問題です

長生きをすることが幸せでしょうか

そうでもありません

短命で死ぬのが不幸でしょうか

そうでもありません

問題はどう生きるかなのです


人生に定年はない

人生に定年はありません

老後も 余生も ないのです

死を迎える その一瞬までは

人生の現役です

人生の現役とは

自らの人生を

悔いなく生ききる人のことです


人の価値

ひとの価値は

地位・財産・職業に関係ありません

知能・能力だけでひとを評価すると

過ちを招きます

知識を生かす心と行いこそ大切です

ひとの価値は心と行いから生ずるのです


最初の一歩

何事においても

最初の一歩をまちがえると

とんでもない方向へ行ってしまいます

人生は

自分が救われるためではなく

世のため人のためにつくすことです

この誓願から

最初の一歩を踏み出しましょう


はきものをそろえる

はきものをそろえると心もそろう

心がそろうと はきものもそろう

ぬぐときに そろえておくと

はくときに 心がみだれない

だれかが みだしておいたら

だまって そろえておいてあげよう

そうすればきっと 世界中の人の心も

そろうでしょう


正しい宗教

自分の宗教を信ずるあまり

他の宗教をそしり

果ては憎しみ争うほど

愚かなことがあるでしょうか

正しい宗教は

いつの時代にも

人々を照らし

平和な生き方へと

導くものなのです

宗教者同士が刃を抜いて

争うことなどあってはなりません


修せざれば現れず

「知る」ということと

「わかる」こととはちがうのです

知ってはいても

実行されなければ

わかったことにはなりません

薬の効能書きを読んだだけでは

病気は治りません

禅も実行してはじめて

わかることなのです


仏心のめざめ

仏心とは

自分のことはさておいても

世のため人のために

つくそうという心の他なりません

自分を中心とするから苦しむのです

仏心にめざめれば

苦労も生き甲斐に変わるのです


大自然のめぐみ

米も野菜もいのちです

肉の魚もいのちです

これらのいのちのおかげで

私たちのいのちも生かされています

「いただきます」「ごちそうさま」

尊い命に感謝して

食事をいただきましょう


仏教の戒め

生きものを殺さないとみずからに誓います

与えられないものをむさぼり取らないと

みずからに誓います

ほっするままに淫らな行いをしないと

みずからに誓います

嘘をつかないとみずからに誓います

無明なる酒を飲まないと

みずからに誓います


足ることを知る心

貧しいことが善でもありません

豊かなことが悪でもありません

貧富にかかわらず

貪欲の心がおこるとき

人は美しい心を失います

仏心とは 足ることを知る心のことです


仏道の祈り

奇跡が起きることを望んだり

超能力を得ることを祈ったり

事業の利益を祈願する宗教もありますが

仏教は 世を導き人を助けることを

願う宗教です

仏道の祈りは 親がわが子を思う祈りと

同じなのです


仏法は坐禅

仏法は坐禅です

坐禅はお釈迦様のお悟りの姿です

身を正し 息を整え 静かに坐る

あなたも坐ってみませんか