お釈迦様の癒し
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最愛の赤ん坊を亡くした若いお母さんは、悲しみのあまり半狂乱となり、わが子を抱きしめさまよっていました。
そのとき、お釈迦様に出会いお願いしました。
「どうかこの子を助けてください。」
お釈迦様は、「よろしい、私が助けてあげましょう。ただその前に、あなたはこの回りの家を訪ね、ケシの実を集めてきてください。ただし、そのケシの実は一度も不幸を出していない家庭に咲いているケシの実でなくてはいけません。」
「わかりました。」
わらをもつかむ気持ちで、若いお母さんはケシの実を集めに家々を訪ねました。
最初の家は、去年おじいさんを亡くしました。
次の家は、三年前おばあさんを亡くしていました。
その次の家は、先日子どもを亡くしたばかりでした。
どの家庭でも不幸を経験し、悲しみを乗り越えていたのです。
とうとう、一つのケシの実も手に入れることができず、お釈迦様のもとに帰ったとき、若いお母さんの悲しみは消えてなくなっていました。